近年、新卒採用に力を入れているさが美グループホールディングス（以下、さが美GHD）では、来年度以降もフレッシュな人材を積極的に採用していく方針です。今回は経営企画本部採用課の星澤さんへのインタビューを実施し、2020年に新卒採用を再開した理由、新卒入社者のための様々な教育・研修制度、入社後に活躍している人材のイメージ、さが美GHDでの仕事を通して得られるやりがいなどについて詳しく語ってもらいました。

良い意味で「着物に染まっていない人材」を増やすために新卒採用を再開

――最初に星澤さんの担当業務についてお聞かせください。

さが美GHD 経営企画本部採用課の課長として、新卒・中途・パート・アルバイトの採用活動、人事制度構築、社員教育の企画・運営など、グループ全般に関わる人事業務の統括を担当しています。

――星澤さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

2003年に新卒で株式会社さが美に入りました。当時、さが美が展開していた雑貨・ホームファッション分野の事業に配属され、入社1年半後に神奈川県内の店舗の店長になりました。その後、3店補の立ち上げに携わり、アウトレット事業の店長兼バイヤー兼マネージャーを務め、オリエンタル雑貨やキッチン雑貨、帽子、インテリアといった様々なブランドショップの店長も経験しました。

そのような形で入社から13年ほど現場の仕事を経験した後、人事に異動しました。異動当初はパートの採用・教育を中心に担当していましたが、2020年よりグループ全体での採用活動がスタートし、それまでストップしていた新卒採用の再開も決まったため、現在では採用をメインとする幅広い業務領域を管掌しています。

――何故、新卒でさが美に入ろうと思ったのですか？

実家が呉服店を営んでいたため、私自身も着物に関係する会社で働きたいと考えていました。着物・呉服を扱う会社はさが美以外にもありましたが、当時のさが美は着物以外のアパレルや宝石、雑貨、ホームファッションのブランドも立ち上げるなど、会社として拡大期を迎えていたこともあり、「着物を軸にして幅広い仕事にチャレンジできそうだ」と思い、入社を決めました。

実際、入社2年目で店長を任せてもらえたほか、新店の立ち上げ、海外での仕入れや買い付け、オリジナル商品の企画、複数店舗の統括、さらには現在担当している人事など、若いうちから幅広い仕事を経験することができました。

――2020年から新卒採用を再開した背景・理由について教えていください。

まず、グループ全社で社員・パートの高齢化が進んでいたため、人材の若返りを図る必要がありました。また、グループとしてさらなる成長を目指すには、普段から着物に慣れ親しんでいる既存のお客様だけではなく、着物を着る機会がほとんどない新規のお客様を獲得していく必要があります。そのためには、新規のお客様と同じ目線に立って接客・提案ができるような、良い意味で「着物に染まっていない人材」が必要であると考えたことが、新卒採用を再開するきっかけとなりました。

入社から3年で店長を目指せる充実した教育・研修制度

――さが美GHDの基本的な人材育成方針をお聞かせください。

まずは店舗の販売・営業職を経験いただき、入社から3年で店長を目指してほしいと考えています。そのため、若手社員の早期育成を目的とした内定者研修、新入社員研修、その後の定期的な研修、エリア別研修など、様々な教育・研修制度の企画・運営に力を入れています。

――内定者研修、新入社員研修の具体的な内容について教えてください。

内定者研修は、内定者の皆さんに安心して入社いただくための関係性構築を一番の目的としています。将来のキャリアイメージを描けるような研修、難しい印象のある着物に慣れるための研修など、私たち人事担当者を中心とする既存社員や同期内定者との交流を図ってもらうための様々な場を設けています。

新入社員研修は、入社後1週間〜10日程度の期間で実施します。グループや会社の理念・ビジョン、社会人として求められるマナー、販売・営業職としての心構えや基本的な技術、商品である着物の知識などについて座学中心で学んでいただきます。この新入社員研修が終了すると各店舗への配属となり、現場でのOJTがスタートします。

――店舗配属後の研修にはどのようなものがありますか？

店舗配属後も1カ月に1回のペースで研修を実施しており、同期入社者を集めて販売・営業に関する技術面のフォローアップを行っています。入社2年目以降は数カ月に1回のペースになりますが、2年目、3年目になると店長になるための知識・ノウハウ習得を目的としたステップアップ研修もスタートします。また、入社1年目の冬には、着物の産地に赴いて着物を作る工程を見学したり、着物のお手入れ方法を学んだりするなど、着物に関するより深い知識を学ぶための産地研修があります。

――新卒入社社員のキャリアステップについても教えてください。

先ほどお話ししたように、まずは店舗の販売・営業職を経験し、3年ほどで店長を目指していただきます。その後、入社から10年前後で数店舗を統括するエリアマネージャー（営業課長）、さらには10〜20店舗を統括する本部長にステップアップいただくキャリアが理想的であり、ゆくゆくはグループ各社の幹部・経営層に成長いただきたいと考えています。また、レアケースにはなりますが、エリアマネージャーを経験した後に、私たちが所属する経営企画本部や商品部といった業務系領域でキャリアを積む社員もいます。

「着物を着ることでしか得られない体験」を多くのお客様にご提供できる

――さが美GHDで活躍する人の中でも、とくにキャリアアップが早い人たちに共通する特徴はありますか？

仕事での高い実績はもちろんですが、仕事に対して前向きな社員、さらには先輩や後輩、パートの方々、お客様など、周囲から信頼される人間力の高い人たちがスピーディーにキャリアアップしている印象があります。

――もともと着物の知識がある人や接客経験がある人はどうですか？

それらの知識・経験は入社時点では必要ありませんし、入社後の活躍にも関係しないと思います。どちらかと言えば学生時代に部活動の部長をやっていた人など、何らかのリーダー経験のある社員が活躍しているイメージです。ただし、昔のリーダー像のように「オレについて来い」というタイプではなく、「みんなで頑張ろう」というタイプが多いと思います。

もちろん、学生時代に目立ったリーダー経験のない社員も大勢活躍しています。結局のところ、さが美GHDで活躍している社員に共通する特徴は、人が好きであり、人に好かれるタイプではないかと考えています。

――さが美GHDで働く魅力、仕事のやりがいについてはどのように考えていますか？

店舗に立ち、お客様から信頼される仕事を続けていると、お客様がいつの間にか自分のファンになってくださることがあります。着物は、ものによっては何百万円もする高価な商品です。高価な着物を買うために自分を頼って来店するお客様ができ、そのようなお客様の数が少しずつ増えていった際には、この仕事のならではの醍醐味を味わえると思います。

今の日本では着物を着て出歩く人はほとんどいません。その一方で「いつか着物を着たい」と考えている人や、着物を見て「素敵だな」「綺麗だな」「いいな」と思う人がたくさんいることも事実です。そのような人々の着物に対する憧れに応え、私たちの提案で少しずつ手の届くものに変えていくことで、着物で街中を歩く人を一人でも増やすことができたなら、それはとても素敵なことですよね。

海外旅行に行くにしても、飛行機でスピーディーに行くのと豪華客船に乗ってゆったり行くのとでは、まったく異なる体験になります。着物は海外旅行における豪華客船に似ていると思っています。洋服でも問題ないかも知れませんが、着物を着ることでしか得られない体験があります。そのような特別な体験、特別な時間をご提供できることこそが、私たちの仕事の魅力であり、やりがいであると考えています。

――最後になりますが、さが美GHDで働くことに興味を持っている方々へのメッセージをお願いします。

まずは一度、着物を着てみませんか？当社では着物の試着体験サービスも行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。私たちさが美GHDは、日本の文化・伝統の一つである着物を守りつつ、現代に相応しい新しい着物を生み出すことで、これからの呉服業界・着物産業をリードしていきたいと考えています。着物を着る感動や心の豊かさ、着物を着て大切な人と過ごす素敵な体験を一人でも多くのお客様に届けていきましょう。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。

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